喫茶「白馬車」
よもやま話 古時計編2

常連 女
「あっ、思い出した」
「前に鳩時計もなかったかしら?」
オーナー
「在りました」
「お客様から頂いた品なので、大事にしていたのですが壊れてしまいました」

常連 女
「子供の頃、よく見かけたのに」
「最近、見ないわね」
「どこかに飛んで行っちゃたのかしら?」
「鳩だけに」
オーナー
「・・・」

オーナー
「アレ、鳩時計と呼んでるの日本だけなんですよ」
常連 女
「うっそ?!」
「じゃぁ、(外国では)何て呼んでるの?」
オーナー
「鳴き声で分かりませんか?」

常連 女
「・・・」

オーナー
「カッコーです」
常連 女
「えぇぇ、聞こえなぁい」
「・・・」
「そう言えば、鳩でもないかぁ」
「でも、なんで見かけなくなったのかな?」

オーナー
「鳴き声が、うるさいんじゃないですか」
「世の中、イライラしてますから」
「・・・」

オーナー
「こう言うところで見かけなくなったのは、もう一つ理由があるんですよ」
常連 女
「なんだろう?」
「ヒント」

オーナー
「うちみたいに、なっては困るからです」
常連 女
「えっ?!」

オーナー
「カッコーは、日本名で・・」
「閑古鳥」


<おまけ>
常連さんの記憶は正しかったのです。
昭和30年代後半から40年代にかけて、ちょっとした鳩時計ブームがありました。
それまで輸出用に作られていた鳩時計が、経済成長のおかげで庶民でも手が届くようになり、けっこう売れたんだそうです。

本場のドイツ製には敵いませんが、木彫りでしっかり作られた鳩時計は、当時の中流層の憧れでもあたのかも知れません。
残念ながら、当時、鳩時計を作っていた会社は、今はありません。
東京にあった、手塚時計という会社です。
興味のある方は、探してみては如何でしょう。


閑古鳥がカッコーだったなんて、驚きですね。
いま聞くと癒される鳴き声ですが、昔の日本人は寂しいと感じたんですね。
これにも驚かされます。
きっと、昔の日本人は癒される必要がなかったんだと思います。
あなたは、どう思いますか?

カッコウの鳴き声です。よければ聞いてみて下さい。

鳩時計です。(やっぱりカッコウですね)

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