成人式のちょっといい話。

私は、地元の倉敷で美容室をやってます。
お陰様で毎年、成人式のお手伝いをさせて頂いています。
今年は、5名の予約を頂いていました。

夜中の1時ごろに起きて、午前3時にはお店に出勤。
まだ、ボーッとしている時の事。
シーンとした店内に携帯の着信音が鳴り響きました。

この時間にかかってくる電話に、ロクなものはないのが常です。
嫌な予感がよぎります。
スタッフの体調不良?
何かアクシデント?

恐る恐る、電話に出ると。
「あの〜ォ  成人式の予約って、まだ大丈夫ですか?」
突拍子もない問い合わせに、固まる私。
「・・・」
「今年の…  今日ですか?」
「はい」

20年以上この仕事をやってますが、こんな事は初めてです。
着物、髪飾り、小物…と。
普通は、何ヶ月も前から準備するものです。
段取りは、どうしよう?
いろんな事が、頭の中をかけめぐり、もうパンク寸前!

その後の会話は、よく覚えていませんが。
結局、成人式の当日申し込みを、受けてしまいました。
だって、その娘にとっては、一生に一度の晴れの舞台です。
私もプロ、何とかしてあげたい、その一心でした。

受けてしまったものは仕方なく。
前もって予約されたお客さんを優先に。
手が空いた時間に少しづつの作業になります。

スタッフの昌美ちゃんに、この件を伝えると。
「え〜ぇ‼︎」
「なでぇ、そりゃーっ!」
思った通りのリアクション(笑)


当日予約のお客様、ゆなちゃん
着付けの合間に、ポツリポツリと話してくれました。
こういう事だった、らしいのです。

成人式には出ないつもりだったけど。
バイトの先輩が、どうしても行かせてあげたいと、振り袖を準備してくれたそうです。
そして、仲間だけでYouTubeを見ながら着付けに挑戦。
帯結びには、力が必要と分かると、男の子達までが手伝うと言ってくれたそうです。

でも、素人じゃ所詮はムリ。
SNSで着付けのできる人を探してみたけど、見つからず。
結局、ダメ元で私の所に電話した。
それが、今回のいきさつ、らしいです。

ちょっと感心させられました。
何と言うか…
若さゆえの行動力。
うまく言えませんが、スゴいです。

ハラハラ、ドキドキはさせられましたが。
思い出深い成人式に関われて、良かった様に思います。

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