最近、「はれのひ」という晴れ着販売会社が起こした、とんでもない事件がありましたね。
そのニュースの中で、被害にあった女の子が。
「この事は、一生忘れることが出来ません」
というコメントを語っていたときの事。

主人の勇ちゃんが一言。
「わしも忘れられん事があるでぇ」

私　「どんな事？」

「パーテェーの時、まさこさんに言われた、あの一言が、忘れられへん（笑）」

私も、その時の事を思い出し、吹き出してしまいました。
私達は熟年再婚で、３年くらい前、親しい友人達だけでお披露目パーティーをしたんです。
勇ちゃんは、その時の事を言ってます。

それは、こんな件（くだり）から始まります。
勇ちゃんのほうれい線は、（それはそれは）クッキリと頬に刻まれていて。
私と娘は普段から、それをネタに笑っていました。

そして披露パーティーのさ中、友達たちの余興で盛り上がっていた頃です。
娘と友人のまさこちゃんが、新郎の勇ちゃんの前までやって来て。
まさこちゃんが、真顔で一言。

「ほんとだッ！　描いてない！！」

「ほんと、やろ？！」と娘。

私達は、二人の言葉の意味が分からず、鳩が豆鉄砲を食らった様に「ぽっか～ん」です。

それからの数日間は慌ただしく過ぎ、私も勇ちゃんも、その事を半ば忘れかけていました。
生活も落ち着いた頃、娘がやって来たので、あの件を問いただしてみました。

娘いわく。
「まさこちゃんが、あのほうれい線は、マジックで描いとるって言うから、見せてあげたんじゃ」

やっと謎が解けました。

視線の端で、膝から崩れ落ちる勇ちゃんの姿を見ましたが、笑いを堪えるので精いっぱいの私は、見て見ぬフリ。

「そ、そこは見逃して欲しかった～ッ」

まさこちゃんが放った言葉が、勇ちゃんにとっては。
一生忘れられない言葉、だそうです。